2011年7月27日水曜日

教育的配慮



夏の甲子園、県予選が終わった。

結果的には、強豪シード校の優勝で順当というところだろう。

しかし、
準決勝第2試合で、事件が起きた。

局面は、延長10回表2アウト3塁。 スコアは4-4。
ノーシードながら準決勝まで勝ち進んできたチームの攻撃。
守備についている方は、古豪のシード校。

打者に応じて、2人のピッチャーを、レフトの守備と入れ替えていた。
そしてこの場面、
2度ピッチャーズマウンドに上がった選手を、さらにスイッチし、レフトへ交代させプレイオンとなった。

高校野球特別規則。
1イニングに2度マウンドに上がった選手は、次に違うポジションに着いてはならない。

タイムがかかる。
ベンチの控え選手が、レフトへ入れば問題はない。
しかし、守備側チーム、すでに全選手を使いきっていたのだ。

フィールドプレイヤーが9人に満たなくなった場合、即没収試合となり相手チームの勝ちになってしまう。(記録上は、9-0)

79分間の中断。

広島県高校野球連盟が出した結論は、ここで試合を止めれば禍根が残る、
教育的配慮から、それまで投げていたピッチャーのレフトへの交代を審判員は受理していないことにしたのだ。

すでにレフトの守りに着いていたはず選手が、再びマウンドに戻り試合再開。

攻撃していたチームが初球を弾き返し、スコアは5-4に。


だが、ここからが、問題なのだ。

その裏、つまり延長10回裏、
1点リードされた古豪チームが、1アウト満塁と攻め立てたのだ。
一打出れば、逆転サヨナラの場面。


結果的には、5-4のまま試合は終わった。

タラレバを語ることは、意味を持たないとよく言われる。
しかし、
10回の裏、ワイルドピッチもあっただろうし、スクイズも可能だった。
それで、勝敗が入れ替わっていたらどうなっていただろうか。

どちらの禍根が大きいだろうか。

教育的配慮とは、いったい何か。

あなたが、責任審判員だったらさて、どうしただろうか…。


(2016.7.25加筆)

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