2011年11月23日水曜日

雨の朝3

それは、何とも気持ちの良い朝だった。
薄いブルーに淡い靄をかけたような色だった。
夜が明ける瞬間、ほんのひと時だけに見せる、しかもちょうど良い雨の朝だけ。
 
読みかけの小説は、クライマックスが迫っていた。
登場する少女は、僕に、言いようのない甘美なエロチシズムを与えてくれた。
読み進めるのがもったいない。
 
雨の朝は、心地いい。
何もかも洗い流してくれるような気がするのか、
いずれ上がってしまうという刹那なのか。
 
どうぞ、今しばらく、僕にこの安寧を。

そして、この瞬間に、感謝する。



9月の風ホームページ
雑誌等に寄稿した文章他(エッセイ等)より





2011年11月19日土曜日

雨上がりの土曜日の午後

忘れ物しているような 日が射すアスファルト
カーブミラーに映る心の隙間

何が埋めようとしているのか

エンドレスの空虚を映す

ピリオド 
それは、前向きなのか


2011年11月9日水曜日

晩秋

秋が深まってくると、
街を歩くおしゃれさんの洋服、
待ってましたとばかりに、
落ち着いたモスグリーンとか、少し濃いめのベージュが、目立つようになるね。

黒い服ばかり着てないで、
さあ、
しっかりと、絵の具をしぼって、
深みのある絵を、描こうよ。

落ち葉の歩道を、歩こうよ。




2011年11月5日土曜日

おむすび

おむすび、
いっぱい作ってもらって、
遠足。
水筒に、お茶も入れて。

おむすびが、いっぱいあると、
嬉しくて、
なんとも、心強い。

子どもの頃の感動が、蘇る。

あの頃は、
母親に作ってもらった、おむすび。

今は、
家人が作ってくれる。

男は、家人に、
母親を、重ねてみているのだろうか…。

おむすびは、
母親の愛情を、
象徴している、のかな。









2011年11月1日火曜日

納得できないカモ

もう、カモが来ていたんだ。
事務所の前を流れる川。

ヒドリガモの対がいた。

それとは別に、
これまで観察したことがないカモがいた。
図鑑で見ると、
オナガガモのようだが、
雄ばかり、3匹いた。

これまでこの川には、
マガモ、コガモ、ヒドリガモしか来ていなかったはずなのだけど…。

これから、羽の色が変わるのかもしれない。