広島で建築家が集うバーとして、日経アーキテクチャーで取り上げられたバー。
わたくしを含め3人の若手建築家と、
東京の若手建築家が広島で仕事をするときに、まずはお世話になるという、
有名建設会社社長E氏の4人が、カウンターに並んだ。
建築家K氏が、フェラーリの話を持ち出した。
ある人が、金を稼いでやっとの思いでフェラーリを買った。
そうしたら、そのフェラーリが雨漏りした。
それで、その人がフェラーリ社に手紙を書いた。
すると、フェラーリ社からの回答は、
雨の日には、ロースルロイス等優れたクルマに乗ってください。
フェラーリには、どうぞ晴れた日にお乗りください。だったそうだ。
(わたくしは、フェラーリ社からの回答が予想できた。)
すると、E氏。
(新進の建築家が設計した)家の工事契約をする時に、
お客さんに、こう言うんだ。
この家は(この図面通りに造ったら)、必ず雨が漏ります。
どうぞ、雨漏りでのクレームは、言わないでください。
私が生きている限り修繕はしますからと。
さらにE氏。
東京の建築家(新進系だと思われる)は、
何軒雨漏りさせたかを自慢していると。
わたくしは、笑って聞いていた。
自慢するという表現は、オーバーにしても、
ようするに、それくらいデザインに固執しているということだろう。
分からない訳ではない。
わたくしは、シングルモルトウイスキーを、
ストレートでやりながら、回想していた。
どんなに厳しいディテールでデザインしても、
過去、雨漏りしたことがないなあ…。
3.11以降今ほど、建築の原点が問われている時は、無いと思う。
建築は、多機能な家電製品とは違う。
必要なのは、空間である。
わたくしは、シングルモルトウイスキーをおかわりした。
0 件のコメント:
コメントを投稿