2011年6月28日火曜日

建築雑感

広島で建築家が集うバーとして、日経アーキテクチャーで取り上げられたバー。
わたくしを含め3人の若手建築家と、
東京の若手建築家が広島で仕事をするときに、まずはお世話になるという、
有名建設会社社長E氏の4人が、カウンターに並んだ。

建築家K氏が、フェラーリの話を持ち出した。
ある人が、金を稼いでやっとの思いでフェラーリを買った。
そうしたら、そのフェラーリが雨漏りした。
それで、その人がフェラーリ社に手紙を書いた。
すると、フェラーリ社からの回答は、
雨の日には、ロースルロイス等優れたクルマに乗ってください。
フェラーリには、どうぞ晴れた日にお乗りください。だったそうだ。
(わたくしは、フェラーリ社からの回答が予想できた。)

すると、E氏。
(新進の建築家が設計した)家の工事契約をする時に、
お客さんに、こう言うんだ。
この家は(この図面通りに造ったら)、必ず雨が漏ります。
どうぞ、雨漏りでのクレームは、言わないでください。
私が生きている限り修繕はしますからと。

さらにE氏。
東京の建築家(新進系だと思われる)は、
何軒雨漏りさせたかを自慢していると。

わたくしは、笑って聞いていた。
自慢するという表現は、オーバーにしても、
ようするに、それくらいデザインに固執しているということだろう。

分からない訳ではない。


わたくしは、シングルモルトウイスキーを、
ストレートでやりながら、回想していた。

どんなに厳しいディテールでデザインしても、
過去、雨漏りしたことがないなあ…。


3.11以降今ほど、建築の原点が問われている時は、無いと思う。

建築は、多機能な家電製品とは違う。
必要なのは、空間である。


わたくしは、シングルモルトウイスキーをおかわりした。

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