2018年5月2日水曜日

雨の朝4


庇に落ちる雨音で、目が覚めた。
目を覚ました瞬間に、雨の音が聞こえた。
どちらだろうか。
それぐらいその雨音は、静かだった。

優しくて、気持ちの良い目覚め。
一度も出会ったことのない、幻想に棲む姉の様な人が、少年の自分をさすってくれた。
愛おしそうに、僕の髪を撫でて起こしてくれた。

フェザータッチを感じながら、もう一度目を閉じる。
白く、何もない世界。
雨の朝。


  



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