2016年4月1日金曜日

児童館~当たり前だと思うことを実行するためには



児童館を設計しました。
小学校の敷地を小さく切り取った狭小敷地です。

なんいうこともない四角い建物。

いわゆる役所仕事なんです。
相棒には、さんざん先例に倣って適当にさっさと描きなさいと。
そうすれば、詳細図も不要だし、何より積算が楽だからと。

事務所運営としては、当然な意見。

だけど、僕には出来なかった。

小学校が終わりお母さんが帰ってくるまで、本を読んだり、ボール遊びをしたり…。
子供にとっては大切な時間と空間。

小学生と一言で言っても、一年生と六年生では大きな違いが有ります。
6時までと言っても、冬は、真っ暗になります。

門扉脇の館名文字を、照明で照らしました。
ここは児童館なのだなということを、通行人に認識してもらうだけでも児童の安全性が増すと考えました。

担当者からは、前例がないから止めてくれと言われましたよ。
私は、冬の夕暮れ現地に佇み思考しました。写真も撮りました。その写真を担当者に見せて説明しました。渋々今のところ了承されています。

私は、近所の児童館に実際に行ってみました。子供の保護者として。
そして色々思考しました。
子供は、どこで転ぶか分からない。床を少しでも安全に、
高弾性衝撃吸収シートを全ての床に張りました。

また、担当者から前例がないからと言われました。
だけど、これは公共施設なのですよ、市民の為に造るのでしょう、私は設計者でもあるけど子供の親でもあります、少しでも安全な設計をするのは当然でしょうと。
それともあなた方は、政策でもある一億総活躍社会の趣旨に反するものを、市民の税金で造るつもりなのですか?と。
これも今のところ渋々了承されていますが、いつ変更命令が出るか分かりません。

と、まあ、自分としては当たり前のことをするのに、エネルギーを使いました。

できれば、この2点だけでも設計通りにできればいいなあと、思っています。




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