2012年9月17日月曜日

ヒロシマの家



広島の戦前、戦中、戦後を生き抜いている男が、いる。
この家は、その男とその子孫・家族のために造られる。

設計者の脳裏に鮮烈に残る戦後間もない頃の、ヒロシマの街。
それは、廃墟からたくましく復興を遂げつつある風景。
高層ビルのたもとに広がるバラック群。人々は、必死で暮らしていた。

新しいビルディングは美しくて、バラックはそうではないのか。
それは、違う。
焼け野原から、集め拾ってきた材料で、自分たちが明日を生きるために建造したバラック。
その強い意志は、尊く、決して汚れたものではない。
この建築は、偶然隣地にあった職人の資材を収納する小屋と、その純粋な心を映す鏡なのだ。











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