現場検査に行き、
一つ施工不良個所を見つけると、
現場監督の顔を見る。
二つ目の不良個所があると、
下を向く。
さらに三つ目をみつけてしまうと、
爆発する。
そんな出来事が、今年あった。
「体内に、マグマが充満していたから」、
後に思い返すとそういうことだったのかもしれない。
それにしても、
50を過ぎて、恥ずべきことと猛省した。
高校を出てすぐ、現場監督として重責を負いつつ、
人夫の如くきつい現場で、下積みを経験している。
次第に、佳い建築を極限まで追求する監督としての本来の勉強を、
させてもらい、それが身体に染み付いている。
そんなわたくしが、
今は、設計者として監理者として、現場に入る。
現場を歩くとき、
それが土工のスコップといえども、またいで歩くことはない。
職人さんが、手で持つ道具をまたいではならない。
厳しく辛い修業を積んできた職人に対する敬意だ。
そのような思いで現場を見て、
その敬意に値しない仕事をみつけてしまうと、
怒りが込み上げるのである。
その思いまで否定しようとは、思わない。
今後は、
その杜撰な仕事が何故いけないのか、
聞き取れないくらいの小声で、丁寧に説明する。
できるはずだ。
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